雑文

思いついたことを

高3のときにラブレターを書いた話

昨日の記事に書いたように、僕は高校3年生のときに同じ部活の一つ学年が下の女の子に恋をしていた。名前はまゆみちゃん。顔はちょっとかわいいくらいでどこにでもいる普通の子。ウェストのくびれがキレイだった。

まゆみちゃんのことは好きでたまらなかったが、当時から同級生たちに指摘されていたように、受験から逃避するために恋愛に逃げている面がかなりあったと思う。

確か卒業を間近に控えた1月に僕は思い切ってまみゆちゃんの家に電話をかけた。もちろん、いわゆる告白電話である。当時は携帯電話はなかったからもちろん家電だ。全部で7、8回電話をかけたが、結局びびってしまって数回、呼び鈴を鳴らしただけで切ってしまった。

それで同じ部活の親友に相談したところ手紙が良かろうということになり、当時から文章を書くのが好きだった僕はラブレターを書いた。書いておきながらポストに投函するのにビビってしまい、5分くらい逡巡していたので、しびれを切らした友人が僕の手から手紙をひったくってさっさと投函してしまった。

それから数日してまみゆちゃんから電話があった。日数的に彼女からとピンときた僕は緊張して大きな黒電話の受話器をとった。

「手紙読みました。返事をしないと悪いとおもって。返事は”ごめんなさい"」。完全な玉砕である。迷った様子もない。

 

50歳を過ぎた今、こうやって当時のことを思い出して書いていても、恥ずかしさと切なさで頭をかきむしり、「うぁぁ~!」と絶叫した。本当にした。高校生の片思いなんて他人のことなら一笑に付すようなことだが、自分のこととなると傷が再び開いて血が吹き出るような感覚である。自分でもびっくりだ。

実は2年くらい前、フェイスブックで同じ部活だったやつのアカウントを見つけ、そこに部活の2019年の同窓会のときの写真があった。まゆみちゃんが笑顔で写っていた。年の割に若く、幸せな結婚生活を送って子どももう大きいのかなと思わせる様子だった。

きっとまゆみちゃんは僕のことを思い出したと思う。高校生のとき僕には微塵も関心がなかったのはわかっている。でも彼女が少女だった頃、一人の少年が淡い恋心を手紙にして送った、涙が出るほど初々しい気持ちを大事にしてくれている。僕はそう信じている。